80年代初頭に登場し、日本でも大きく話題になった「エイズ」。
今やエイズは「死の病」から「管理可能な慢性疾患」となりました。
アフリカでは1990年代にHIV/エイズが猛威を奮い、1日に数千人が死に至っていました。
1996年に抗レトロウィルス薬(ARV)3種混合剤が治療に有効と判ると、欧米の先進国では一気にエイズ治療への希望が開けました。
しかし貧困国では高額な薬は手に入りません。
安価なジェネリック医薬品は製薬企業の「特許権」によって独占され、製造も輸入も禁止されていました。
「薬はあるのに、アクセスできない」
「命を守るのに、なぜ特権が必要なのか?」
映画では特許の壁を破り、途上国に安価なジェネリック医薬品を届けようと医師や活動家、製薬会社などが奔走します。
様々な規制が緩和される流れに反して、強化される一方の「知的財産権」。「医薬品の特許権」も、TPP、TiSA、RCEPなどの貿易協定の中で、どんどん強化されようとしています。
上映後、豪華ゲストのトークも聞けるチャンスです。ぜひご予定ください!
シャイリーさんは国境なき医師団インドにて、医薬品アクセス問題に取り組む専門家です。 1970年代以降、インドは国策としてジェネリック医薬品産業強化に取り組み、現在では世界中の途上国に安価な医薬品を提供。「途上国の薬局」とも言われる国です。 RCEP交渉の中で、ジェネリック医薬品の製造を困難にする「企業の知的所有権の保護強化」を日本と韓国が提案しているといわれ、インドはじめアジア諸国からは懸念が高まっています。シャイリーさんもRCEP交渉会合の監視と情報収集のために来日します。
■この企画は、「第4回 3.11映画祭」にエントリーしています。
第4回 3.11映画祭公式ページ
http://311movie.wawa.or.jp/
■映画『薬は誰のものか エイズ治療薬と大企業の特許権』について
ドキュメンタリー映画『fire in the blood』を日本語版製作したばかりの作品。2013年インド製作。
監督のディラン・モハン・グレイ氏はこれまでも数々の社会派ドキュメンタリーを製作している。
監修:稲場雅紀
字幕:内田真木子
編集:脇元寛之
企画・制作統括:内田聖子
協力:首藤信彦/サキコ・フクダ・パー/アフリカ日本協議会/モーション・ギャラリー
制作:特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)2017年
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/fireintheblood.html